相続土地国庫帰属制度について

当事務所では、土地を手放したいというニーズに答えるため、相続土地国庫帰属制度についてのご相談も承っております。

この国庫帰属制度の対象者は、相続や遺言で土地を取得した人ですが、他にも制限等があります。

2023年から始まった制度ですが、全国ではこれくらいのペースで進んでいます(2025年末時点の目安)

申請件数: 約 4,900件
国への引渡数: 約 2,300件

なお、申請した人のうち、約半数が審査をパスして引き渡しまで完了しています。

制度を利用するための要件

この制度を利用するための要件は、大きく分けて「人(申請者)」と「土地(物件)」の2つの壁があります。

特に「土地の要件」が厳しく、イメージとしては「国が管理するのにお金や手間がかかる土地は、一切引き取りません」というスタンスです。

チェックリスト形式で、できるだけ噛み砕いて整理しました。

1. 人の要件(誰なら申請できる?)
ここはシンプルです。

[〇] 相続(または遺贈)で手に入れた土地であること
売買で買った土地や、生前贈与でもらった土地はダメです。
「何十年も前に相続した土地」でも〇です。

[〇] 共有の場合、全員で申請すること
「自分だけの持ち分(1/3など)だけ引き取って」というのはダメです。

2. 土地の要件(どんな土地ならOK?)
ここが本番です。「門前払いされる条件(A)」と「現地を見て断られる条件(B)」の2段階構えになっています。

A. 【門前払い】書類上で即NGになる土地
申請する前の段階で、以下のどれか一つでも当てはまると申請できません。

[×] 建物がある
家、小屋、廃屋など。解体して更地(さらち)にする必要があります。

[×] 担保権などがついている
借金のカタ(抵当権)に入っている、借地権がついているなど。

[×] 境界がわからない
お隣との境界線がはっきりしていない。

[×] 土壌汚染がある

[×] 通路として使われている

私道や、お墓に通じる道など、他人が使う権利がある場所。

B. 【不承認】現地調査で「管理困難」と判断される土地
申請後の審査(現地調査など)で、以下のような状態だと「合格」できません。

[×] 危険な崖(がけ)がある
高さがあり、崩れる恐れがあって工事が必要な崖など。

[×] 放置すると危険・迷惑なモノがある
放置車両、産業廃棄物、今にも倒れそうな巨木など。

[×] 誰かの邪魔になる土地
その土地を通らないと、他の土地に行けないような「囲まれた土地」。

[×] 山林などで、整備にお金がかかりすぎる
道がなく管理のために新たに入る道を作らないといけない、など。

要件をクリアするための「2大ハードル」
実際の実務で、多くの人がつまずくのが以下の2点です。

① 建物解体のハードル(費用の壁)
「建物さえなければ引き取ってもらえるのに…」というケースは多いです。

対策: 自腹で解体費用(数百万円〜)を出し、更地にする必要があります。「その費用を払ってでも手放したいか?」の判断になります。

② 境界確定のハードル(手間の壁)
「隣の土地との境目がわからない」場合、申請できません。

対策: 土地家屋調査士に依頼して測量し、お隣さんと「ここが境界ですね」と合意してハンコをもらう必要があります。これにも数十万円の費用と時間がかかります。

まとめ:チェックポイント
あなたの土地は、以下の「合格ライン」に乗っていますか?

☑建物がない(更地である)
☑借金の担保になっていない
☑お隣との境界がはっきりしている
☑危険な崖やゴミがない

もし「建物はあるけど解体する予定だ」や「境界杭は見当たらないけどお隣とは仲が良い」といった状況であれば、申請できる可能性は十分にあります。

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